よかろうもんブログ

採用面接で「新規事業をやりたい」という人に対して思うこと。

   

前職で中途採用の面接に5年ほど関わっていました。
人事部でもないのに何故?といったところですが、
自分が配属された部署が、部署の体を全く成していなかったので
一から組織を作るために全て自分で採用を決めてました。
(それが許されるのもどうか、という話ですが。)

合計で100人以上は面接したと思いますが
その中で感じたことは以下の3点です。

1.履歴書や職務経歴書なんて信用できない
(特に、職務経歴書。内容が正しいか確認する術は無いですからね。
「盛っている」と考えるのが自然です。)

2.自己紹介を求めたときに、履歴書に書いてあることを延々と話す人はアレ。
(「自己PR」と同義だから、履歴書の学歴の欄を読み上げられても困るんですよね。)

3.「新規事業をやりたい」と言うヤツは要注意。

 

この3番目について、少々書いていきます。

そもそも、ウェブ部門、コンテンツビジネス部門の面接なので
まずは既存の事業にしっかり取り組んでもらえるような人材を探しているわけなのですが
それでもかなりの数の人が「新規事業をやりたい」と言ってきました。

いや、言うこと自体はいいんですよ。
比較的良質で、売れるコンテンツを大量に持っていましたから
「新規事業」なんていくらでもやりようがありました。

でも、言ってる本人の経歴が「新規事業」に向いてないし
実績もスキルも明らかに足りなかったりするんです。
あるのは「やりたい」って気持ちと根拠の無い自信だけ。
それをさも自分だけが思いついた新規事業であるかのように、
面接で延々と披露するんです。

 

『その事業は当社にどのようなメリットをもたらしますか?』

 

で、だいたい黙ります。その程度だったんです。

 

どんな人間かも分からない、どの程度仕事ができるのかも分からない、
そして実績もスキルも明らかに足りない、そんな人間を
「新規事業をやらせる」前提で採用できるわけないじゃない。
何でそんなお前の「やりたい」に会社が無条件に金を出さなきゃいけないんだよ。
「マネーの虎」でももう少しマシだわ。
どうしても「新規事業」やりたきゃ、まず社内で信用を得てからにしろよ。
または実績上げて出直して来い。
そうじゃなきゃ自分の金でやれって。

それに「自分だけが思いついた新規事業」なんて、まず無いから。
既に誰かが思いついてて、出来ない理由があるからやってないか
または実行したけど上手くいかなかったかどちらかだから。
業界事情を知らないのは仕方ないけど
それを「自分だけが思いついた」と言い切るのは痛すぎるよ。

 

もう10年ほど前の話ですが、読み返してみると
当時から「意識高い(笑)」や「セルフブランディングっぽいもの」が
嫌いだったみたいですね。

 

ともかく、これらの面接のおかげで、少しは胡散臭い連中を見分けるのが
得意になったことでしょう。感謝。

 - 雑文