「不採用=スペックやスキルの否定」ではないという話。
私がある企業でウェブ事業部門の管理職をやっていたときの話。
あくまで私個人の「昔を懐かしむ話」です。
入社当時、社員1名アルバイト3名だった我が部署も、
売上アップとともにスタッフを増員する必要が出てきました。
最初に欲しかったのが、実務経験豊富で、デザイナー経験のある30代の男性Webディレクター。
随分細かい指定でしたが、うまい具合にぴったりの人材が見つかりました。
これで、私の仕事は随分楽になりました。
次に欲しかったのは実務経験のある若手女性のWebデザイナー。
こちらもいい人材が見つかりました。
これで、部署の仕事が多少スムースに回るようになりました。
3人目に探したのは30代の男性Webディレクター。
デザイナー経験はあれば可、という程度に考えてました。
ここら辺から会社の知名度も上がり、求人に対する応募が一気に増えたため
書類選考も一苦労でした。
明らかにオーバースペックの応募者が増えてきたんです。
しかし用意しているポジションは部署で2番手のWebディレクターですから
このポジションに合わないような高スペック、高年収の応募者は全てお断わりし、
実務経験は少ないものの、誠実な人柄の男性を採用しました。
ディレクター2名体制をとることができ、私は現場仕事から離れました。
次にWebデザイナーを募集したときも、高スペック、高年収の応募者が多かったのですが
その方たちを全てお断わりし、
私が欲しかった「実務経験がものすごく豊富な女性のWebデザイナー」を採用しました。
ここでようやくディレクター、デザイナーをある程度分業できるようになりました。
これ以降、3名ほど採用したのですが、
全て「そのタイミングで欲しかった人材」を採用しました。
不採用となった方の中には、採用したスタッフよりスペック、スキルの高い人もいましたが
そういうスペック、スキルの人を当時求めていませんでしたので、採用しませんでした。
何が言いたいかといいますと、企業が(そのタイミングで)欲しくない人材は
どんなに高スペック、高スキルでも採用しません。
逆に言いますと、面接で落ちて不採用となっても、それはスペックやスキルの否定ではないということです。
という昔話でした。