よかろうもんブログ

「新しい働き方」はここまで来た!→1記事30円、ロゴ制作1つ3,000円。

   

今回のエントリー、結論から申しますと

クラウドソーシングは労働力の搾取である

です。

先日のエントリー

「ロゴ制作1つ2万円」が「新しい働き方」だなんて笑わせる。

の最後に、「3,000円のロゴ制作の仕事がある」という話を書きました。

朝マルシェ(朝市)のロゴマーク作成

温泉街で新しく始まる朝マルシェ(朝市)のロゴマークデザインをお願いします。
【詳細】
・ロゴに含める文言は「Isawa温泉 朝マルシェ」でお願い致します。
・添付の参考画像に近いイメージでお願いします。
・朝市で扱う商品がハンドメイドの工芸品やオーガニック食品など。
・主要メンバーは女性なので、女性的で柔らかいイメージ。
・温泉街なので、温泉マークが入っていると尚良いです。

予算がありませんので、今回は低価格でのお願いになり、大変恐縮ですが、デザイナー様のご協力をお願い致します。

予算がないんじゃなくて、予算を取ろうとしてないだけじゃないでしょうかねえ。
天王寺区の例の件にも通ずるものがありますね。

これがですね、「3,000円で発注しようとしたものの、応募がゼロでした。」
って話でしたら良かったんですが、残念ながらそれなりの応募があったようでして。
応募は法人から、個人からの両方あるようなのですが
こんなクソ安い仕事を請けようとするには特別の事情があるかもしれませんから
そこへのコメントはしないでおきます。

類似商標の調査なども、誰もやらない(もしかして知らない?)と思いますが
それは本人たちが痛い目に遭うだけなので、それも別にいいです。
商標法が強力なものであることを思い知るといいですよ。

問題なのは、
誰もが見ることのできる場で、1つ3,000円のロゴ制作の仕事が成立した
ということであると思っています。

各クラウドソーシングのサイトでは「2万円でロゴ制作!」を推しているようですが、
そもそも2万円でロゴ制作を依頼しようとするような人たちが
それが3,000円で可能であるということを知ると、
2万円「も」払うのが馬鹿馬鹿しくなって、3,000円で依頼するようになることが
容易に想像できます。
今回のように複数の応募があれば、それがそのうち主流になってきたりしませんか?
事情を知らない人が「ロゴ制作って3,000円で出来るんだ」などと理解して
クラウドソーシング外で変な発注をしてきませんか?
もしかしたら、一般的なデザイナー・クリエイターと
クラウドソーシングの価格を比較をされる日が来たりしませんか?

私の取り越し苦労だったらいいんですけどね。

 

もうひとつ。

簡単なブログ記事更新のお仕事【日記風】女性限定!継続依頼あり

【お仕事内容】
こちらが指定するブログに10記事前後の記事を投稿していただくお仕事です。
ブログのジャンルは指定させていただきますが、
書きにくいジャンルの場合は、変更可。
文字数:1記事あたり350文字以上(タイトルは記事文字数に含めません)
こちらが指定するリンク(URL)を記事中に入れていただきます。

【1か月投稿予定ブログ】
10~30ブログ
(記事数100~300記事)

【予定報酬】
100記事 3000円
(手数料は含まれていません。上記がそのまま報酬となります。)

驚きの1記事30円です。
おそらく、アフィリエイト関連のブログでしょう。
PV稼ぎの為に、ページ数を増やす必要があるのでしょうね。
それにしても100記事書いても、(安い)居酒屋1軒分のお値段とは。

これも、クオリティは別にして
3,000円で100記事書いてもらう」ということが皆の目前で成立するんですよね。
さすがにこちらはプロのライターさんへの影響は少ないと思いますが。

奇しくも両方とも3,000円の仕事なわけですが、
こんなの、一般的なフリーのデザイナーさんやライターさんは100%受けない仕事だと思います。
受けた場合、数十分で制作→納品しないとギャラに合わないわけでして、現実的に無理です。
はっきり言って、「お小遣い稼ぎ」にも満たないレベルですが
実際に仕事を受けている人はいるわけで、
そこにはやはり「食えてないフリーランス」も多く含まれているのだと思います。

この「クラウドソーシング」を「新しい働き方」だといって煽り、持て囃している人たちの目的は
「食えないフリーランス」を量産し、彼らを安い仕事で拘束することなのでしょうか。

それを、「労働力の搾取」と呼ばずに何と呼ぶのでしょう。

 - クラウドソーシング, 雑文